手術は怖い・・けれども本人の知らないうちに終わっているという時間の魔法
こんにちはITドカタの「針たむ」です
今日はいつもの経過観察的な検査で休みをとり、地元へ戻っていますが、検査後の診察順番待ちの間、ふと思った事を雑記的に書こうと思います。
今から3年程前に僕は手術というものを初めて経験した訳ですが、その時の事について話す事にします。
これから手術を予定されている方、初めて手術というものを経験される方にとって、少しでも安心感が生まれることがあれば幸いです。
それは突然やってきた
3年前の夏、僕は身内の会社の手伝いで県内の某河川工事で、重機のオペレーターとして作業をしていた。
重機仕事と言うのは基本的に自分一人で工事の流れを作りつつ、全体のイメージを想像しながら行っていくというのが自分の中にあるイメージで、早朝から夕方遅くなってでも、必ずその日の工程を完遂させる事が出来ないのなら、重機に乗る資格は無いと考えている。
でも、予期せぬトラブルとかそういうのは仕方が無いのだろうけどね。
俺はプレッシャーに負けてしまったんだろうか・・・?
当然、プレッシャーというものも伸し掛かって来るわけで、そのせいなのかどうかは知らないが、それは突然に僕の体を支配した。
その日の昼過ぎ、腹でもなく背中というか脇腹なのかどこが痛いのか良くわからないような鈍痛が僕の上半身に起こった。
痛みが半端ない、重機なんてものは2本のレバーだけの操作で動かせる物なのに、そのレバー操作さえも困難な状況で、動くことすらままならない・・・
重機の運転席で「いてえええ」という言葉を発した事も定かではないが、とにかく痛みがものすごかった記憶があり、身動きすることすら出来なかったというのが現実だった。
それでも午後一から3時頃までは痛みに耐え、重機が振動する度に場所が特定できないような痛みに襲われて、ついにギブアップ!
現場の責任者に頼んで3時過ぎに帰宅する事になったが、帰宅する頃には痛みは既に無くなっており、少し安心した部分もあった。
ある日、健康診断の結果が届いていた
それから数日経ち、あの痛みも出てこないのでいつもどおりに重機屋の仕事に励んでいた時、自宅へ前回の健康診断結果の通知が届いていた。
一通り目を通していると所見という欄に、「便に潜血アリ」「再度精密検査必要」というような文字が印字されていた。
潜血?
「それは俺が痔だからだ!」(笑)程度の考えだったが、嫁が検査を受けろ受けろとしつこかったという事もあり、地元の公立病院で検査を受けることにした。
検査の日々の始まり
当日、健康診断の検査結果の紙を持参して、受付で人間ドック的な検査を受けたい旨の事を告げ、その日に出来る検査だけ受ける事になったのだがこの時点では何の異常も見られないという結果だったが、次回の検査で胃カメラと大腸カメラ(内視鏡検査)を実施する事に。
実際には一日で胃カメラと大腸カメラの2つの検査は出来ないということで別々の日に検査を行うことになり、先ずは胃カメラ、そして後日、大腸カメラというような流れだった。
異物が上と下から入り込んでくるという感覚が初体験
最終的に何度も実施する羽目になったのが、この最初に行った胃カメラ(内視鏡検査)だったのだが、胃カメラにしろ大腸カメラにしろ普段からの生活では味わうことのない感覚を経験することには変わりない。
未だにやりたくないと思うのがこの胃カメラだが、病院により経験者の感想は色々あるようで、担当した医師次第で天国と地獄ほどの差があるらしい。
僕が経験したのは当然、後者の方で麻酔なんて効いてるのかどうかすら怪しい状態での挿入を何度も・・・(TдT)
しかも、カメラを見た瞬間「こんなの入るわけねぇだろ!」というのが一番の印象だった気がする。
知り合いが他の病院で行った時は、安定剤を飲まされて「ボーッ」としているうちに終わっていた。という話も聞いたが、ソッチのほうがいいに決まっている。
もしカメラを飲む時が訪れた時、周りの経験者から、医師に関する情報を良く聞いてボーッとしている間に終わる病院を選ぶのが得策でしょう。
変わって大腸カメラだが、これはなんとも言えない感覚だった・・・
なんと表現すれば良いのか解らない(〃ω〃)
女性ってこういう感覚なんだろうかとか・・・
カメラが侵入してきた時の感覚といい、撮影中の肛門の感覚といえばずっと中身が出続けているのでは無いかという錯覚的な感覚になる。
個人的には苦痛を感じる事は無く、しいて言えば女性看護師に肛門どころか〇〇袋の裏側まで見られてしまうという屈辱感が半端なかった。
検査の結果は腸内にポリープが8つ程出来ていたものの、全て陰性という事で一安心!
そしてついに本当の疾患が解明される
結構、大きな穴が胃に開いており、穴が開いては閉じてを何度も繰り返した形跡が見られるという事だった。
しかし、胃潰瘍と聞くとやはり安心感があったのは確かで、投薬治療で一週間程で穴が塞がるので「一週間後にまた来てください」という医師の言葉に従い再度来院。
ここで事態は急展開を迎える事になる・・・
前回の内視鏡検査で胃の組織を一部、採取して組織検査をかけたらしいのだが、自分の人生、何も面白い事もやりたい事も特に無いとはいえ、一番聞きたくないワードが耳に飛び込んで来た。
「胃がんですね~」
一瞬、誰しも自分の耳を疑うでしょうね
この瞬間、不思議なことに絶望感というものは無く、むしろ現実味が無いという感覚が一番だったんでは無いでしょうかね。
昔は医師が患者に対してがんの告知というのをしなかったという記憶があるにもかかわらず、普通の会話の中に「胃がんですね~」とか、軽く言われるものだから余計に実感が沸かないというか何というか・・・
今だからこんなふうに書けるんだろうけどね。
手術に向けての生活がスタート
いきなり医師からガン宣告されたもんだから、どうしていいか解らないわけですよこれがね・・・
今すぐ死亡するって訳でも無いだろうけど、「取れるものなら取ってくれ」的に、
医師から「手術しますか?」と聞かれれば、即答で「ハイ!」
「カメラもう一度飲みますか?」と聞かれても即答で「ハイ!」みたいに、自分が考えて選択するという心の余裕ってものが欠落していたのも事実でしょうね。
その日から検査入院や手術の日取りの相談やらで、毎日がものすごいスピードで過ぎて行くような感覚でしたね。
その後行った内視鏡検査は初回のを含め4回程でしょうか、嫌なんだけど何でも「ハイ!」ってな状況だったんで、まるで「まな板の上の鯉」のような状態の日々が手術前と手術後もしばらく続く事になります (^_^;)
先ずは手術に向けて禁煙から
重要:ここの部分の文章は結構重要になりますので是非覚えていてくださいね
初めに担当医から言われたのが「禁煙」という事、まあ病院内は基本禁煙ですが、手術日が決定するまでは通常の生活をしている訳です。
日常的に愛煙活動を盛んに行っている僕はこれが非常に難しいということを骨身にしみて解っています。
以前、禁煙外来に2年越しで通院した際も、思い切り挫折してますしね、電子タバコに走ったところで1ヶ月も続かないので禁煙すること自体、無理そうな感じです。
では何故、医師がそこまで禁煙させようとするのか、医師本人だって実は喫煙者なんだすけど健康被害とかいったものは当然ですが、実は手術後に気道確保するための管が挿入されたままになった状態が一晩ほど続くのです。
この時、喉に管が挿入されている訳ですが、喫煙者の場合「痰」が絡んでひどい目に合うという事を言っていました。
手術経験のない僕にとってそんな事を言われたところで、どれだけひどいのかという感覚が掴めない訳ですね、一応は医師の言葉に従って禁煙自体はしてみました・・・
当然、続きませんね、流石に手術入院の前日だけ喫煙をしなかった程度ですが、おかげさまで後日、ひどい目に逢いましたよ!ちゃんとね(笑)
手術入院の日がやって参りました
そんな感じでいよいよ手術前日になり入院する時がやって来ました。
未だに現実味が沸かない状況下での入院ですが、特に変わった事もなく時間だけが過ぎていきます。
夜も普通に過ごし知らないうちに眠りについていて、翌朝になり少しばかり不安と緊張が襲って来ます。
手術当日は食事は一切採れないのですが、不安感と緊張感のためか空腹感というものはあまり感じなかったんじゃないでしょうか。
そして手術室へ
午前10時、手術室へ入る時間となりました
手術着に着替え、ストレッチャーで移動し不安のまま手術室に到着し入室。
テレビや映画等でしか見たことがない部屋に生まれて初めて入った感想・・・
何も感じません、むしろ不安で一杯でしたよ
なにか色々と説明はされているものの頭になんて入りませんね。
外国なんかの薬殺刑に処される囚人の心境もこんな感じなんだろうか・・などと変な感情はあったかもしれない。
そろそろ手術開始でしょうか・・・
手術台に乗せられ、横向きにさせられて何か始まりました。
背中に何かを刺すようです・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
怖いんですよね、見えないから余計。
どうやら「硬膜外麻酔」というものらしく、ポリエチレン製のチューブを脊椎付近へ挿しておくことで麻酔薬を追加したりすることが容易にできるそうです。
特に痛みを感じること無く施術されましが、実際これが術後の痛みを緩和させてくれた物凄い代物でした。
参考:硬膜外麻酔について
実は自分で覚えているのって、この硬膜外麻酔までなんです
この処置が終わり、どのタイミングで全身麻酔を行ったのかすら解らないのです。
眠いという感覚も無かったし堕ちた感覚も無ければ、ふと目が覚めた時に手術が終わっていたという、記憶が一部分(数時間)消されていたような感覚で、不思議な経験をしましたね。
ちなみに全身麻酔を行うと心肺機能も全停止するので「人工心肺装置」を用いて生命維持を行っているそうですが、手術後に心肺機能がうまく動作してくれないとアッチの世界に逝ってしまうそうです。
ただ、自分自身何も感じなければ考えることも出来ない状況下ですので、仮に命を落としても全然解らないという、何とも不条理な話でもあります。
まあ、現代の医療技術でそんな事は起きないとは思いますけどね。
手術後の状況
手術完了後、ICUへ移され安定するまでカメラによって監視されるのですが、手術室を出る途中で丁度麻酔が覚めた感じで、ストレッチャーで移動中に嫁さんが横にいるのが解りました。
嫁さん、泣きながら横にいましたね
手術が無事に終わったのと自分の夫の口とか穴という穴に管が通っていて、それが見ていて辛かったんでしょう。
実は手術時間も予定より大幅に時間が掛かったというのも原因かも知れません。
午前10時から開始して終わったのが午後の18時頃だったと思いますが、ひたすら待つというのも辛いでしょうね。
さて手術後、ICUでの一夜を過ごすわけですが前述の通り
「痰」に悩まされましたよ(;・∀・)
自分の力でいつものように痰をきることが出来ないのと、それをやろうとすると手術した場所が物凄く痛むのです。
痛いけど喉奥に違和感があるため痰を切ろうとする、すると痛い・・
繰り返しです。
ただでさえ管が入りっぱなしですので苦しいような気がするし、これが翌朝6時頃まで続きましたね。
翌朝になり挿管していた管を外して貰えたものの、この時の夜が長いのなんのって・・・
素直に禁煙できていればなと、この時初めて実感しました。
その後の経過
朝を迎えたその日のうちにICUから出ることが出来て、あとは病室にて安静状態を保つという日々になります。
初めの一週間~10日程は傷口が痛み動くことすらままならない状態でしたが、その痛みに対しても「硬膜外麻酔」というものが常時脊椎に繋がれており、専用の機器で麻酔を送る事により痛みを緩和させ、いつの間にやら眠りに就いているというサイクルで日々を過ごすことが出来ました。
10日目辺りには自力で立ち上がって歩行器を併用し歩く事も出来るようになり、他の病室を行き来したり本当はイケないけれど病院の外に出ていったり、思ったより早い回復が出来たのが印象的でした。
昔と違い、腹を一文字に切って手術するのと違い、数箇所に小さな穴を開けてカメラを使って施術する方法で行ったと言う点も回復が早いという利点でしょう。
ですので手術後から約19日目には、退院することができましたので、こんな短期間でって思うかも知れませんね。
最も開腹式の手術じゃそうはいかないでしょうけど、いずれにしろ医療の進化というのは目を見張るものがあります。
術後の傷口のケアにしても昔はガーゼでしたね、けれど今はフィルム状の物を傷口に貼ることにより、空気と傷口が触れないようにすることで痛みを少なくし、治癒の期間がグッと早まるそうです。
最後に
今日、定期検査に行きふと思い出した事を乱筆ながら自分なりにまとめてみました。
ある程度手術の種類によって、痛みの度合いは違うと思いますが、医療の進歩によって患者の体の負担を和らげる技術が開発されています。
僕自身、初めての手術であり経験である今回の記事ですが、手術というのは知らないうちに終わっていて割と早い期間で退院までたどり着くということですね、それから一番は、今の時代に生きていて本当に良かったなと思います。
最後までお読み頂き有難うございました。
(^_^)/~