どうも針たむです、今週も福島県は小野町経由の平田村という所に来ています。今回は今まで行きてきた中で恐らく、一番おっかないという思いをした仕事についてです。
世の中には、色々な職業というのがある訳ですが「自分の仕事に比べたらなんてこと無いよ~」という方もいらっしゃるかとは思いますが、個人的な雑記ですので、そのへんのところはご理解下さい。
ヘリ輸送でもなく索道でもない現場に行ってきた
僕は普段、鉄塔関連の基礎の部分に関する工事を行っています。当然、平地での工事もありますが、山の天辺での工事というのも非常に多く、ヘリ輸送、索道といった工法での資材の運搬を行う事が多いです。
さて、今回の現場ですが、ここに関して言えば「モノレール」を使用しての資材運搬を行うという現場です。
僕らはこの場所の工事に直接携わっていた訳ではないのですが、この場所を担当していた北海道の業者が、先々週辺りに別の場所へ移動したということで、最後の整地という工事を僕らのチームで行うこととなりました。
主な残工事
今回、工事を行う上でやらなければならないこと
- 大雑把な整地作業
- 小さめのカニクレーンの荷揚げ
- 山上にあるバックホウの解体・搬出
- 小さめのバックホウの荷揚げと仕上げの整地
- 最後の仕上げ整地
- 小さめのバックホウの搬出
といった感じでしょうか、いつもの山の整地だと、大抵の場所は一日もあれば整地が完了するのですが、ここに至っては山の勾配が結構きつく、というか重機が動ける勾配ではないので、作業は慎重に行わないと、大きな事故に繋がりかねない条件。
まずは大雑把な整地から
まずはもともと置いてあった3.5tクラスの重機を使い、大雑把に土を動かし、ある程度もとの地形に戻していくのですが、これは2~3時間程度で終わります。
解体用のカニクレーンの荷揚げ
画像が無いのですが、地上のモノレール基地より4tユニック車にて荷吊りしてモノレールの荷台へ乗せます。吊って乗せる分には特に怖くはないですが、モノレールを発進させるとやはり、急勾配を登らなければならないのでモノレールの運転自体は結構、恐い・・・
山上にあるバックホウの解体・搬出
先ずは、排土板をバラしてアーム部分の配管の縁切りを行います。カニクレーンで吊りながら、根元のピンを抜いてアーム部分の解体を行い、モノレールへ乗せて搬出。
残りはキャビンとウェイトをバラして搬出すれば、走行部分を搬出するだけです。しかしこのアームもウェイトも無い状態でのちょっとした段差がある場所の移動の気持ちの悪いことと言ったら、もう最悪です。
ただ、モノレールへ乗せる時は乗った状態だと本気で恐いので、機械の外からレバーを操作してモノレールへ乗せるという、本来であればイケない操作方法で無事に荷台へセット完了。
*こんなの運転席に乗った状態で荷台へ上げるのは正気の沙汰ではない。
小さめのバックホウの荷揚げ
ここで初めて、運転席に乗った状態でモノレールへ乗せなければならない状況になり、今まで生きてきた中で1,2を争うのではないかというレベルの恐怖を味わう事となる。
画像からは想像出来ないだろうが、ユニック車からこの荷台へ乗せる際、モノレール自体が軸一本で支えられているという仕様上から、とにかく右に左に振れまくる。その上アームの重みで、どえらい角度に傾き、モノレールが倒れるのではないかと、その上重機自体も滑り落ちていきそうな勢い。
重心を合わせるために10cmほどの移動さえも、体がこわばってしまい完全硬直状態になる始末で「もう帰りたい・・・」という心の声が聞こえたかどうか・・・
ちなみにこんな所を重機を乗せてこれから登る訳です。重機自体もアレですが、運転するのも正直言って生きた心地がしませんね。
最後の仕上げ整地
さて、それでは小さい重機を使い、山上のプラットホーム状の盛り土をすべて撤去して、地山の状態に戻していきますが、もともとのきつい勾配に加えて、重機の履帯はゴム仕様のため、あまり思い切った作業はできません。
しかし、思ったほど急な勾配では無かったので、案外すんなりと仕上げ整地も完了。時間にして2時間少々でしょうか。
小さめのバックホウの搬出
ようやく一通りの作業を終えて、プラットホーム的な足場もない状況の中、運転席に乗った状態でのモノレールへ荷積み開始です。
地上での荷積みの時に体験したあの揺れプラス、真後ろは真っ逆さまの谷・・・
もうケツの穴がキュッとなって、体が硬直するのは当然で、不安定なモノレールへ乗り上げたのはそれから何分後だったろう、血圧も急上昇したに違いない。
幸いな事はモノレール自体を谷側から2点、山側から2点、レバーブロックを使用してガッチリ振れ止めをしてくれたという点、乗せることにはなんとか成功したものの、あと少し谷側へ重心を合わせるために移動してくれと言う・・・
無理無理!と口にしながら微操作でジワリジワリと重心移動するも・・
「こえええええええ」
まさにこれが一番の心境だった。それでも無事に荷台へ重機を乗せれたので一安心だが、このあとのモノレールの走行という恐怖が最後に残っている。
いざ、出発進行~
というレベルの話ではなく、頂上からスタートしてからの左下へ曲がって降りるカーブがあり、ここで一瞬、谷側へ重心を奪われる。
まさに恐怖・・以外の何物でもない
平静を装って乗っている様にに見えても、いつでも横に飛んで逃げられる体制を取っています(笑)
何があるかわからないのが現場ですからね。
そんな思いとは裏腹に無事に地上まで到着した僕たち御一行ですが、このモノレールの仕様上、急勾配になると自動的に速度が遅くなる装置が付いており、非常にスローペースでの走行になる。
逆にこれが恐怖に拍車をかける感じで「早く地上へ到着しろ~」と、何度思ったことだろう。
この先モノレールを使う機会があったらどうする?
正直、何があってもやりたくはないし、関わりたくもないというのが本音でしょう、少しの判断ミスが命取りになりかねない作業ですからね、割に合わないというより自分の命のことを考えたら、絶対に無理。
今回、初めての体験で本当に恐いと思った作業ですが、無事に地上へ降りてられたのが唯一の救いではありますが、もう二度とやりたくないです(泣)
皆さんも自分の命は大切に!
それではまたm(_ _)m